2012年7月10日火曜日

政策の連続性を担保

与謝野馨経済財政担当相は30日朝の閣議後会見で、民主党が前日の代表選で野田佳彦財務相を新代表に選出したことについて「政策の連続性が担保できた。ほっとしている」と感想を述べた。

与謝野担当相は、社会保障・税一体改革をともにまとめた野田氏とは「仕事一本やりの付き合いだった」としながらも、前日の候補者演説で野田氏が「普段主張していることを、ひとつも曲げずに真正面から主張した。これが政治家の本当の姿でないか」と高く評価。「首相は慎重かつ大胆にものをやらないとならない」が「たぶんその期待に十分応えられる」とした。

さらに「たびたび出てくるのは、高い成長率が達成できるとか、金利は安く抑え込めるとか、いろんな俗論」と、民主党内にある高い経済成長を目指す「上げ潮」論をあらためて否定。「昨日の代表選挙を見ても、最終的に民主党はその俗論に惑わされることなく、代表を選んだ」と述べた。

今年1月に経財相へ就任した自身に関しては「日本経済はいくつかのぜい弱性の上に成り立っている」と指摘した上で「経済の将来にもう少し警鐘を乱打すべきだった」と振り返った。特に、東日本大震災発生後は経済が「底抜けするのではないかと心配した」という。

同時に、サプライチェーンがほぼ復旧した現状でも、来年の電力供給が企業の生産計画などに不透明感を与えていることに懸念を示し、今年7月に政府が大口需要家に1 5%の節電を義務づける使用制限令を発動した際、経済産業省が策定した原案では制限幅が30%だったことを明らかにした。原案は生産現場の電力供給も制限するものだったため「経財相として経産省の事務方と大喧嘩をした。経済を支えるには生産拠点に電力が供給されることが一番大事」だと主張し、15%削減に変更したことが「政策的に一番大きく戦った」ことだったという。

閣僚として支えた菅直人首相に関しては「まじめで仕事熱心。世間で言われている人間像とは、およそ違うものがあるといつも思っていた」と評し、一体改革の政府案などを取りまとめたことに「政治家としての努力に深く感謝したい」と述べた。